でろでろ汽水域

読書感想にかこつけた自分語り

2018-03-05から1日間の記事一覧

読書感想:『夜また夜の深い夜』桐野夏生

秘密めいた手紙から幕を開ける物語は、ナポリのスラム街から始まる。偽名を使うことを強制し、住居を転々としながら整形手術すら辞さない秘密主義者である母親と二人きりで生活している少女からの手紙。日本人の名前(舞子)を持つ彼女は、それを唯一の拠り…