でろでろ汽水域

読書感想にかこつけた自分語り

bumper stickers を見においでよ

 このブログで自分の公演の振り返りはずいぶんやってきたが、これから本番を迎える舞台について書くのは初めてだ。
 言いたいことは表題のとおりである。2月18日16時開演の bumper stickers ダンス公演『FRee Way』をぜひぜひ観に来ていただきたい。ダンスに興味がある方はもちろん、ダンスにそれほど興味がない、詳しくないという方にこそオススメしたいイベントである。
 bumper stickers のステージを観ているときに一番実感するのは、音楽そのものが「見える」ことによる理解の深まりとそれを通じて自分の感覚が拡がるような多幸感だ。舞台で躍動する身体表現を経て、その音楽が目指そうとした風景や心情にグッと近づけるような感覚が呼び起こす感動は bumper stickers の真髄と言えるだろう。ダンスのテクニックやジャンルに詳しくなくても、絶対に楽しいステージになることは私が保証する(担保に差し出すものはないが)。この「音楽を見て理解する」感動をぜひ味わいに来てほしい。
 会場はミルハス中ホール。料金は前売り2,000円、当日2,500円。最前列での鑑賞ももちろんオススメだが、舞台全体を俯瞰で見たときの構成も美しいため後方や二階席で見られる魅力もあるだろう。どこから観ても楽しめるはずだ。
 都合が悪くて観に来られないという方は、以下のリンクから応援の気持ちをいただけると幸いだ。これまでの活動や今回の舞台への想いもまとめられているので、ステージを楽しむための前夜祭的な楽しみ方もできるのではないかと思う。

camp-fire.jp

 さて、bumper stickers は「秋田をダンスで盛り上げたい!」という思いを胸に活動しているダンスチームである。県内のさまざまなイベントに出演しており、最近では1月31日に行われた秋田ノーザンハピネッツの試合でハーフタイムショーに登場。情熱的に躍動しつつ、1本のフリースローを見守るときの息を飲む瞬間も表現するなど、会場を埋め尽くしたハピネッツファンからも大きな歓声が上がっていた。

 なんで突然ダンスイベントの宣伝をし始めたのかと怪訝に思う方もおられるかも知れないので、経緯をべらべら書かせてもらおう。
 私は言うまでもなく演劇畑側に属する。と言っても演劇にだってそこまでのキャリアはないが、ダンスはキャリアがないどころか苦手分野に入る。むしろリズム感・体幹・運動神経が満遍なく低い自分にとって、表現活動に組み込まれた場合は天敵だ。これまでの舞台経験でもダンスがあればそこに一番練習時間を必要としたし、その上でも求められる水準に達していたか疑わしい。
 べろべろ書いているが、要するに私はダンスは苦手だ。ただ、苦手でもキライではない。見ているのは好きだし(稽古で人のダンスを見ているのはとても面白かった)発表の舞台となれば尻込みしてしまうが、音楽に合わせて身体を動かすことの気持ちよさもきちんと味わえている。フィギュアスケートを見るのが好きだったのでキャンデロロやヤグディンの振り付けを真似して遊んだ記憶もある。先の県民市民ミュージカルでダンスの心得がある友人知人ができたこともあって、以前よりはだいぶ身近な存在になった。
 昨年の秋に bumper stickers の一員である"ほんちゃ"からレッスン体験のお誘いがあった。先述のとおりダンスが不得手であるので物は試しと顔を出してみたが、私にはレベルが高すぎたので早々に見学に回った。若者たちに一人だけおじさんが混じって練習を見学するのは少し恥ずかしかったのだが、練習を見ているだけでも音楽の理解の仕方や表現の方向性が新鮮で楽しかった。そしてそうやって練習を見守っているうちにすっかりファンになってしまった。
 結果的に練習を観に行っただけのおじさんになってしまったが、bumperのメンバーは気さくに受け入れてくださり、私が出演する舞台などにも足を運んでくれている。本当にありがたいことだ。
 そんなご縁もあって、今回の舞台に私もちょっぴり関わらせてもらえることになった。ダンスの方ではさすがに役に立てないが、演技のほうで楽しいステージになるよう尽力したいと思っている。私も私なりに努力して舞台に臨みたい。

 本番まで一週間となり、メンバーの練習にも熱が入っている。今日も少しだけ見学させていただいたが、すべての曲、すべての瞬間が本当に格好良かった。私もできるなら客席から見たいくらいだ。
 どうかたくさんの人に来てほしい。秋田のダンスシーンに関わる上で、このステージを観たかどうかがステータスになる日がきっと来る。伝説の中継地点を見逃すな。