でろでろ汽水域

読書感想にかこつけた自分語り

5月31日 月末でも変化のない1日と本の感想

朝起きて会社に行って昼休憩中に本読んで夜帰宅して酒飲みながらガルパン観て寝る。

一行で終わった。こういう生活を続けているので日記として記すことがあんまりない。仕事について書こうと思えばそれなりに長い文章書けそうな気もするが、専門的な業種の方々が面白いブログを展開しているようなことにはならないだろうなあとも思う。そりゃ旬の野菜でこんなのが出たとか値段の割にあれはうまいとかあれはイマイチとか面白くなりそうな情報をまったく持っていないとは言わないが、私はあんまり仕事のことが好きでないのでフリーな時間までそんなことを考えたくない。意識の高い人が「そんなことはない仕事と私生活を深くコミットすることで仕事にも愛着が沸くし理解も深まる。そうやって社会でのステータスも高めていけるんだよ」とか言ってきそうだけどそんなことしてみろ。目と指を潰す。

しみったれた文章が続いたので読書感想。

傳田光洋『驚きの皮膚』読了。

人間を人間たらしめる知性と理性の存在を、皮膚という繊細な触覚器官から見つめ直す良書。専門的な内容も少し出てくるが丁寧で読みやすい作りになっており科学漫画を読むような感覚ですいすいと読み進められる。その一方で語られる内容は目からウロコの連続。もうたかが皮膚、たかが表皮細胞とは思えなくなる。

著者の皮膚に関する一連の研究活動から見えてきた皮膚機能の凄さも面白いが、その独特の感覚機能が発展させてきた人類の営み、社会性やそのシステムの在り方とその行き着く先に対しての考察、警鐘に至るまで実にユニーク。科学的な論証から哲学的な考察まで奥が深く、それでいて難解なところがない。最近調子に乗ってやや専門的な本を買ったところ理解が追いつかずめそめそしていたのだが、こうした専門的な内容をいかにわかりやすく記すかという技術にもセンスは出るなあと感心した。

皮膚が人間をひとりの個体として形成する外枠として存在し自と他を断絶する境界としてありながら、触れるという最も重要な認知・吸収にも関わっていく、人を人として形成する大切な器官であると改めて気付かされる。

著者は他にも皮膚に関する本を出しているようなので機会を見て読んでみたい。