でろでろ汽水域

読書感想にかこつけた自分語り

6月12日 秋田の熊事件

タケノコ取りの入山者が相次いで熊に襲われて死傷した事件。最後に襲われた女性の事故現場から近いところで猟友会が一頭のツキノワグマを仕留めたとかで、関連性が調査されている。

秋田では数年前にも熊牧場で積もった残雪を足がかりにして熊が檻から脱走し、園の職員が殺害されるという痛ましい事故があった。実は幼かった頃にこの熊牧場には行ったことがある。大きさや体躯よりも賢そうな面構えにゾッとした記憶がある。日本での熊による事件を調べるうちに、その直感が正しいものだったことも知った。

昨年には実家の近くに熊が出て騒ぎになった。叔父さんが堤防近くの畑へ出かけたところ、畝に見慣れない奇妙な足跡を見つけた。なんだろうかと訝しんでいたら200mくらい離れたところに熊がいたそうだ。叔父さんは慌てて近くの納屋へ逃げ、気配を殺して納屋にあったスコップを握りしめていたらしい(殺気でとるやないか)。親父と祖父は笑い転げていたが、割と危ないところだったんでないかと私は眉を顰めて聞いていた。その後、熊が藪の奥へ姿を消した隙に猛ダッシュで帰ってきた叔父さんは警察へ連絡。熊がいた形跡は見つかったが、肝心の熊はその後の捜索でも見つからなかった。

熊はこうした経験から好きではないし、今回のような事件があった以上は殺処分が妥当だとも思う。同時に、一時の生活圏の共有からこうした事件が起こるのは、熊が可哀想だと思わないでもない。

可哀想だけど殺す、を突き詰めていったらこういう事件は減るだろうか。