でろでろ汽水域

読書感想にかこつけた自分語り

箱根駅伝を見た話

両親がそれぞれ箱根駅伝常連校の卒業生なので、一般的な家庭よりは多少熱心に箱根駅伝をTVで観ている。どちらも優勝争いというよりはシード権を取れたら万歳三唱という大学であるため、区間ごとの結果に一喜一憂しながら気楽に応援している。

全国の視聴者からも強い学校が力を発揮して結果を残すところよりは、フラフラになりながらタスキを繋いだりあるいはギリギリで繰り上げスタートになったりというアクシデントの方がおそらく人気があるのだろう。今年も5区で駒沢大のランナーが倒れこんだときに報道が一番元気になったように思う。

青学が2位以下をぶっちぎったので明日はタスキが途切れる映像がたくさん撮れるはずだ。TV局がwktkしている姿が見える。

Twitterのタイムラインと一緒に見ておったのだが、最後の5区がやはり一番盛り上がっていた。特に優勝への力となった神野選手。神野大地(かみの だいち)といういかにもランナーと言わんばかりのネーミングと圧倒的なパフォーマンスは視聴者の度肝を抜いていた。走っている最中もゴールテープを切った後もずいぶんな余裕が見られた。気が早いが来年の走りにも期待せずにはいられない。

それ以上に一部で話題をかっさらっていたのが「箱根のラブライバー」こと中央学院大の及川選手。

1時間20分を切る激走で見事な成績を収めながら、趣味の分野も満喫しておられるようでその生き方たるや羨ましいの一言だ。

本人のツイートや周りの反応などを追ってみると、本当に文字通り趣味を力にすることで今日の快走を生み出したようでこれぞまさに文武両道という印象。違うか。

趣味や遊びというのがストイックな練習や勉強など本来頑張ることからの「逃げ」の方便として使われることがままある世の中において、それをまさに努力の底力として粘り強く走りきった及川選手から感銘を受けずにはいられない。

趣味と実益。win and win。胸を張って生きる、というのはこういうことだろう。隠し事のない生き方というのは格好良いものだ。

目立ちに目立ってしまったので、これからきっと面白くない連中に絡まれることもあるのだろうなあと少し心配する気持ちがある反面、彼はそういうのを笑い飛ばして自分の力になるものだけを飲み込んで行くのだろうという気もしている。

駅伝選手は私が今年の目標にしている「忍耐」と「継続」の権化みたいなものだ。自分がそんな彼らを心配などしたら滑稽であろう。