でろでろ汽水域

読書感想にかこつけた自分語り

新年の話

あけましておめでとうございます。

本年も宜しくお願い申し上げます。

すでに仕事始めを迎えられた方も多いことと思うが、ご多分に漏れず私もあと数時間もしたら明日の初出勤の準備のために会社に行かなければならない。それはもう仕事始めではないのか。なんなんだ。

思い返すと昨年は公私ともにインパクトのある出来事の多い年だった。春には支社に転勤になり片道40kmをほぼ毎日、自家用車で往復する生活になった。最初は死ぬかと思ったが簡単に慣れた。その後、インターネットを通じて知り合った「とんでもない人たち」のとんでもなさに干支一周遅れで世間が気付き始めた。名のある文学賞を受賞し才能を文壇に認められた人、複数の雜誌にエッセイを執筆し幅広い層から注目を集める人。改めて自分がなにをしたいのか、なにに興味があるのかを深々と自問できる機会を貰った。
夏には甲子園に故郷秋田県からヒーローが生まれた。秋田商業の成田翔くん。長く続いた秋田県勢不振の影を完全に取り払った。彼は千葉ロッテにドラフト3位で指名され、今後プロでの活躍も期待されている。野球に限って言えばそれ以上に胸を熱くしたのがスワローズの優勝。これも同じく秋田出身のエース石川が奮闘した。今年は日本一目指して頑張ってもらいたい。
冬が迫ってくるとさらに面白い出来事が増えた。急な思いつきから久々に東京へ出掛けた。11月に開催された文学フリマにて上段で述べた「とんでもない人たち」と実際に合えたことは昨年の一番の思い出である。そして会社の慰安旅行でテキトーに社交辞令を繰り返していたら上司の娘とお見合いまですることになったりと、この冬は面白すぎた。見合いに関しては後で別個に書く。空振り具合が面白いので長くなる。

そんなこんなで思い返すと充実した1年だったような気がするが、私自身がなにかをしたりどこかへ出掛けることで得た物事は少なかったようにも思う。受動的に面白い出来事が向こうからやってきた。今年は私の方からそっちへ近づかなくてはなるまい。そんな気持ちもあって文学フリマを見学させてもらった。
仕事はもちろん忙しいし、それほど自由な時間もお金も精神力もないが、それでも昨年起きた面白いイベントに遭遇できるだけの基盤は細々と作れていたのだって事実だ。自分の価値観には少し信頼を置いていいようにも思っている。

2016年へと日付が無事に変わった後、酒の勢いも手伝って家族一同で少し離れた神社まで初詣に行った。いつもは徒歩100mのところにある馬頭観音の祀られた小さな社にお参りするだけだが(落ち着いた頃に大きな神社へ改めて初詣にいく。家の一族は人込みが苦手)これも新しい行動力の奔りと言えるかもしれない。
根雪で凍った道をゆっくりと10分程歩いた。私は顔を知らないが向こうは私をよく知っているという田舎特有のご挨拶を交わしながら、新年の抱負と家族の安全を祈願した。
初めて訪れた地元の神社で、初めて引いた御神籤は、初めて見る「凶」だった。わー。ほんとにあるんだー。

そんなわけで2016年はすでに開始30分で混迷の兆しを見せ始めた。
元気だけは失わずに歩みを進めようと思っている。



それでは、皆さんにとって善い年になるよう。願いを込めて。

いわし