でろでろ汽水域

読書感想にかこつけた自分語り

6月8日 平日休みはモスバーガー

会社が平日休みなので朝からモスバーガーで読書に勤しむ。モスバーガーは開店時間が早く、主要な新聞が取り揃えてあり、コーヒーが美味しく、軽食も豊富と申し分ない。さらに単価があまり安くないので下品な貧乏人も来ない(おい!)。長っ尻するには持ってこいの環境であるため平日休みの日はよくたむろしている。

一方で休日は人が多く子供連れの家族なんかもいたりして、一席あたりが広いこともあってお一人様での長居が難しくなるため利用しない。ドライブスルーして自宅で食べる(使うのかよ)。

まだ読んでいる最中だが、先月文藝春秋から発刊された『科学の発見』が面白い。現代科学の最先端を生きるノーベル物理学賞受賞者の著者がその知識で持って古代ギリシャ哲学や中世科学革命の時代を振り返り、当時の科学者の勘違いや間違い、見当違いに対して批評をしていく。

決して過去の遅れた知識をクサすような内容ではなく、過去の偉人たちを持ってしてもたどり着けなかった科学的知見のあり方や実証に至る難しさを当時の情勢や宗教観も含めて解き明かしていく新しい科学史となっている。

教科書程度の知識しかなくても著者の指摘の鋭さには頷ける部分が多く、たとえば有名な「アキレスが前の亀に追いつけない」というゼノンのパラドクスはその逆説の存在だけがクローズアップされているが、この逆説が実際にはありえないことや、実際に観測される現象と逆説の差異が何故生まれるかなどの反証に対しては当時の人々が無関心であったことなどが紹介されている。

科学への興味が薄くても(実際私は物理はからきしである)普通に読み物として面白い。この先の章ではデカルトがボロクソに言われるみたいなので期待している。

そんなこんなでモスで2000円ほど使って充実した時間を過ごしていた。この値段でお腹も脳味噌も満足なら文句のつけようがない。良い休日だった。