でろでろ汽水域

読書感想にかこつけた自分語り

読書感想

読書感想 2016.12月分 後半

前回の12月前半の読書感想、奇しくも全部ミステリという「なにがなんでも読むだよめちゃくちゃ偏ってるじゃねーか」のツッコミ待ちになってしまった。言い訳をさせてもらうならば、この時期は読書を習慣づけようという助走期間みたいな物だったので心理的ハ…

『夫のちんぽが入らない』読書感想

書き終えて推敲しているが、以下の文章は厳密には読書感想ではない。二言三言しか言葉を交わしたことはないが、私は個人的にこだまさんを知っている。だから純粋に本だけを読んでの感想というのがどこからどこまでなのか、よくわからない。本を読んで思った…

読書感想 2016.12月分 前半

最近読んだ本の読書感想などをつらつらと。昨年12月半ばから読了した本の簡単な感想はTwitterで呟くようにしているのだが、それで充分という本もあるしまだまだ紙面を割きたい物もある。時間が経って気持ちの置き所が定まってきた作品もあるので、そこらを振…

「ペンネの日記」感想 part.2

引き続き「ペンネの日記」感想。漢字読めないさんの2作。自己紹介と人生観のハイブリッド「Who are you」と、そこから始まる唖然とするほどまっとうな青春群像「僕と岡澤くんの120メートル」。個人的に「ペンネの日記」全体を通して一番新鮮な驚きがあったの…

「ペンネの日記」感想 part.1

今年の文学フリマで販売された同人誌「ペンネの日記」の感想などをつらづら。昨年の同イベントで発表された「なし水」の与えたインパクトは凄まじかった。これだけ書ける人がアマチュアなのかという驚き、こんな波乱万丈な生き方を包み隠さずエンタメとして…

マンガ感想 「ダンジョン飯」九井諒子

昨日のISISに日本人が人質に取られ身代金を脅迫された事件に関して、3000字ほどの熱い持論を展開し、自己責任論という無責任こそが国民に返す刃で跳ね返る可能性や、宗教および道徳的教育が友人関係の延長のように行われることで様々な誤謬が存在する現状、…

「なし水」感想 part4 のりしろさん

のりしろさんの作品への感想を書くというのは、それ自体が一種の挑戦だと個人的に気負っている。それはのりしろさんの創作と、何より彼が書く諸々に対する感想文を読んでいただければ納得していただけると思う。 彼は物語の作者としてももちろんヤバいが、読…

「なし水」感想 part3 たかさん

間が空いたが、決して感想を書くのに飽きたわけではない。 毎日午前4時半に出社(起床じゃないぞ、出社だぞ)、午後2時から4時頃まで長めの休憩を挟み、それから再び午後7時頃まで仕事をして帰宅するという生活を送っている。そのため平日は時間がないのだ。足…

「なし水」感想 part2 爪切男さん

引き続き『なし水』感想。前回のは感想というか考察文みたいになっていて我ながら読み返してちょっとヒいた。久しぶりに長めの文章を書いていたら楽しくなってやりすぎた。私はシンプルで面白いものをあれこれ理屈をつけてこねくり回すのが好きなだけなので…

「なし水」感想 part1 全体&こだまさん

長文を書く必要ができたのでブログを久々に更新。 何回かにわけて、つらつらと「なし水」の感想を書く。 まずは全体を通しての簡潔な感想から。 とても面白く、興味深く著者4人の短編を読み終えることができた。着眼点も文章力も職業作家に比べて何ら遜色は…

読書感想 6冊目

作品名騎手の一分作者名藤田伸二評価(星4つ)新書には実用書みたいな物も多いので普段は読書感想を残さないのだが、この本はなかなか面白く、同時に考えることが多かったので書き記しておく。 先にはっきり断っておくが、競馬に全く興味が無い人には価値の無…

読書感想 5冊目

作品名空飛ぶ広報室作者名有川浩評価(星5つ)著者の名前は以前から知っていたのだが作品は今年になって初めて読んだ。その作品が大ヒット作の「図書館戦争」だったのだが、読み始めたら面白くて止まらなくなり別冊を含むシリーズ6冊を一週間程度で読み終えて…

読書感想 4冊目

作品名きいろいゾウ作者名西加奈子評価(星5つ)※作品の内容に触れた記述があります。未読の方はご注意ください。 タイトル買いした作品。新しい作者を開拓するためにときどきタイトル買いをするのだが、今回は当たりだった。とても面白かった。 田舎に越して…

読書感想 3冊目

作品名銀河不動産の超越作者名森博嗣評価(星2つ)※作品の内容に触れた記述があります。未読の方はご注意ください。 大学時代に「すべてがFになる」の文庫版をタイトル買いしてから一気にファンになった。既刊本を次々購入し、講義や睡眠の時間を忘れて読書に…

読書感想 2冊目

作品名鼓笛隊の襲来作者名三崎亜記評価(星5つ)※作品の内容に触れた記述があります。未読の方はご注意ください。 読み味抜群の短編9作を纏めた短編集。穏和な文体から奇抜な世界観が丁寧に紡がれていく作風は非常に個性的で、読者に先の展開を予想する余地を…

読書感想

作品名色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年作者名村上春樹評価(星5つ)※作品の内容に触れた記述があります。未読の方はご注意ください。 村上春樹には珍しいサスペンスめいた作品。問題と行動がかなり序盤で明らかにされるのも普段の作風とは違う。 風…